天体は霊的存在だった?

 こんにちは、沙耶です。人間が正確に時間を感じるには、周期的に動くものが必要です。周期的に動くもののなかで人類史上常に存在するのが天体です。暦も太陽や月の動きをもとに作られたもので時間と天体は人間にとって切っても切り離せない関係です。そんな天体の動きを知るために人類は様々な壁に立ち向かってきました。そこで今回は占星術から天文学にかけての天体の動きを知るまでの歴史を紹介しようと思います。

アリストテレスの説

 アリストテレスは古代ギリシアの哲学者で、物理学、生物学、論理学、政治学、心理学などの業績から「万学の祖」と呼ばれています。あまりにも偉大な哲学者であるということに加えて偶然にもキリスト教神学に合った宇宙論を展開したため中世まで支持され続けます。逆にアリストテレスの説に間違ったものがあっても、宗教と関連付けられて信じられていたため訂正できなくなっていました。

アリストテレスの説と現代科学の違いは多くあります。元素は火水土気の4種類であり、土の元素が大きいほど重くなり速く落ちると考えました。また、太陽や月などの星が落ちてこないのは地上を構成する元素とは別の種類の元素エーテルで構成されており地上の法則とは別の法則で動いているからだと考えました。

エーテルで構成されているもの(天体)は止まらず動き続けますが、これはエーテルの外側で動かしているものがあるからだと考え、これを第一動者と呼びます。アリストテレスは三段論法を考えた人でもあるので、全ての運動の根本の原因を第一動者の概念を使って説明しようとしたのです。

占星術とホロスコープ

 第一動者がエーテルの外から天体を動かすのが根本の原因であれば、地上の物事の原因はエーテル、天体にあるはずです。そこで、天体の位置から地上の物事を予測しようという占星術の動きが始まりました。占われる人が生まれた時刻と場所において、月、水星、金星、太陽、火星、木星、土星の7つの惑星が12星座のどの方向にあるのかを確かめます。現在日本で使われる星占いはそれを簡略化したもので、生まれたときに日本から見て太陽がどの方向にあるかで星座が決まります。しかし当時の占星術ではさらに厳密に占うためにホロスコープという星の位置を確認するための図を使って占いました。

 ホロスコープは様々な種類があり、その種類によって精度が異なります。また、年が経つにつれて星の動きとホロスコープがずれていくということもありました。正確に星の動きを予想するために数学的にエーテルの性質を解析する動きが始まります。

ケプラーの法則

 占星術師のティコ・ブラーエは、ローマ皇帝に仕える数学者としても活動していました。ティコ・ブラーエは正確な星の動きを知るために膨大な量の星の動きのデータを取りましたが、その結果アリストテレスが言うような天動説は信じ難いということがわかりました。もちろんそれまでにもコペルニクスが地動説を唱えているので地動説の発想はありました。しかし、太陽を中心として惑星が円運動していると考えても計算が合わないのです。

ティコ・ブラーエの後任の帝国数学者であるケプラー地動説を取りました。そして、惑星は円運動をしているのではなく楕円運動をしていると考えました。つまり、太陽からの距離は近づいたり離れたりするのです。この発想によってケプラーは「星の動く速さは速くなったり遅くなったりする」「公転周期の二乗は軌道半径の三乗に比例する」などと言ったケプラーの法則を発見しました。この法則はティコ・ブラーエが取ったデータをうまく説明できていて、エーテルの性質を表すものとしては正確なものです。

ニュートンの万有引力の法則

 アリストテレスは地上の物体と天体では別の法則がはたらいていると考えていましたが、ケプラーの少しあとの時代の人物であるニュートン物体も天体も同じ万有引力の法則がはたらいていると考えました。そして、ニュートンは力学と万有引力の法則によってケプラーの法則を全て説明し、なぜ星が落ちてこないのかも説明してしまいました。

 ニュートンの発見は天文学と占星術を引き離しました。天文学によって正確に星の動きを予測することができるようになりましたが、一方でアリストテレスの言うような星をエーテルの外から動かす存在は星が動く理由として言及する必要がなくなりました。しかし天文学が発達する前の占星術の考え方は現在のスピリチュアルやオカルティズムに魂を司るエーテル体、霊を司る星辰体(アストラル体)として色濃く残っています。

『天体は霊的存在だった?』へのコメント

  1. 名前:f 投稿日:2018/01/31(水) 01:00:05 ID:084f00fc0 返信

    西洋史の中での占星術が担ってきた役割とその終焉までの流れが簡潔でとても分かりやすかったです。

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