年月日ってどうやって決めたの?

 こんにちは、沙耶です。私たちは現在、キリスト教の影響を受けたグレゴリオ暦(西暦)を使っています。もちろんキリスト教の影響を受けているからと言ってクリスチャンではない人が使うのに不便があるわけではありませんが、暦は天体の動きを予測するものなので占星術時間の思想に深く関係してきます。そこで今回は暦のでき方を紹介したいと思います。

原始的な時間

 もし私たちが時計やカレンダーを知らなかったら、時間を測定するために何を測るでしょうか。まず、地球上には昼と夜が交互に現れることは知っているので、太陽が1周する周期を1日という単位で表すことができます。また、月が満ち欠けすることも知っています。満月になってから再び満月になるまでを1ヶ月という単位で表すことができます。もっと長い目で見れば季節の移り変わりで夏至になってから再び夏至になるまでを1年と表すことができます。

 これを元にすると、月の満ち欠けが何日で一周するのか、季節の移り変わりが何日で1周するのか図ることができます。潮の満ち干きは月の満ち欠けに関係し、季節の移り変わりは植物を植えたり収穫したりする時期の目安になります。なのでいつ月が満ちるのか、いつ春がやってくるのか知るのは生死に関わる問題なのです。そこで測定してみると、1ヶ月は29.27日から29.83日で安定せず、1年は365.2422日でほぼ一定となります。これらの測定はエジプトや中東、中国など広い地域で行われ、それぞれの文化圏でそれぞれの暦が作られるようになります。

西洋の暦は?

 月の満ち欠けは29日から30日くらいなのですが、例えば今日の午前3時までは2月だけどそれ以降は3月だ、と言われても面倒です。なので面倒にならないように1ヶ月に入れる日数を考えなければいけません。

 古代ローマでは29日の月と30日の月を交互にすることで1ヶ月を29日から30日の間にしました。しかしこれでは12ヶ月で354日となり1年の長さ365.2422日と季節の移り変わりがずれてしまいます。そこでユリウス・カエサルは31日と30日の交互にし、2月だけ29日にしました。さらに4年に1度の閏年のときだけ2月を1日増やすことで1年が365.25日となり季節の移り変わりとのズレが少なくなりました。カエサルの後を継いだアウグストゥスは8月に自分の名前(August)を付けて1日増やして、代わりに2月を28日(閏年は29日)にしました。こうして現在使われている暦の原型が誕生しました。カエサルの暦は季節の移り変わりに対して正確にはなりましたが、代わりに月の満ち欠けに対してのズレは無視しています。月の満ち欠けは29日から30日までの間なのに、暦の上では1ヶ月30.4日です。このように月の満ち欠けよりも季節の移り変わりを重視する暦を太陽暦と言います。

 紀元前45年に使われ始めたカエサルの暦は1582年まで使われ続けられることになります。1年に0.01日のズレだったとしても、1600年もずれ続ければ16日近くずれます。計測器が発達してきたこともあり、暦がさらに正確になるように変えられることになりました。それが現在日本で最も使われるグレゴリオ暦です。カエサルの暦は閏年が4年に1回でしたが、グレゴリオ暦では「4の倍数の年は閏年、ただし100で割れる場合は閏年ではない、ただし400で割れる場合は閏年」という複雑なルールになります。その代わり1年が365.2425日となり季節の移り変わり365.2422日にさらに近づきました。

日本の暦は?

 日本も農業や漁業をしているので暦は必要になりました。しかし日本人が天文学を知る前に中国から暦が伝わって来たので、始めは中国の暦を使いました。中国の暦は占星術と深く関係していて、日食、月食、惑星の位置を予想する西洋で言うホロスコープの役割も果たしていました。そして中国の文化に影響を受けた日本においても中国の暦を使って惑星の位置を予測する動きがありました。しかしそれが問題でした。中国の暦がどれだけ正確だとしても、それは中国において正確なだけです。例え中国で満月だったとしても、緯度経度の違う日本でも同じ時刻に満月になるわけではありません。江戸時代になると日本独自の暦を作ろうとする動きが始まり、現在では旧暦と呼ばれている天保暦も江戸時代に作られた暦の1つです。

 西洋では季節の移り変わりを基準にしましたが、中国や日本では月の満ち欠けを基準にしました。月が見えない新月を朔(ついたち)、満月を十五夜月と呼ぶなど、それぞれの月の形でその月の何日目に当たるのか確認できますが、12ヶ月で1年にはなりません。そこで同じ月が2回連続で続く閏月を入れることで1年と季節の移り変わりを合わせます。このような暦を太陽太陰暦と言います。

 中国と日本の暦は頻繁に変更されていますが、主に2つに分類されます。定時法平時法です。定時法は時間を等分する方法で、平時法は星の角度を等分する方法です。太陽や月は常に同じ速度で動いているわけではありません。なので現在日本で使われているように時間を24等分すると1時間での太陽が動く角度は季節によって変わってきます。一方で旧暦の天保暦では昼と夜をそれぞれ12等分ので1時間に動く星の角度は常に等しいですが、夏の昼より冬の昼の方が1時間(一刻)が短くなります

時間の感覚と星の位置の関係

 現在世界で広く使われているグレゴリオ暦は月の満ち欠けからはズレていますし、季節の移り変わりも旧暦である天保暦の方が正確です。それでもグレゴリオ暦が使われるのはユークリッド幾何学的な西洋の価値観が広がっているからだと考えられます。一方で旧暦に見られるような1時間の長さを変えて生活を星の位置に合わせるのは、場合によって時空が歪む非ユークリッド幾何学的な価値観に見えます。1度は西洋化によりユークリッド幾何学的な価値観になった日本人ですが、物理学の進歩や神秘学の発達により時間の捉え方を変える必要がでてきたのではないでしょうか。

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